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催眠暗示の技法に関して。

こんにちは、TAKKです。

■■■注意事項■■■
前回の最後にお知らせしていた通り、今回は催眠の技法をいくつかご紹介いたします。
どちらかというと『催眠作品を作ってみたいのだけれど、何をどうすればいいかよく分からない』という方に向けた内容になると思われますので、純粋に作品を楽しみたいという方は、いわゆるネタバレ的な要素を多分に含みますので(前回に引き続きで申し訳ございませんが)お読みにならないほうが良いだろうと思います。


まずはじめに……手法を3種類に分類してみたいと思います。これは、NLPのように(その有効性はどうであれ)手法を体系化しようという試みではありません。ただ、千差万別の催眠技法をご紹介するにあたり、『数字における素数のような何らかの構成単位を定めれば面白いかもしれない』という思いつきからのことです。ゆえに、この分類法は何らかの学術的な根拠に基づいたものというわけではありませんので、その点は、ご留意下さいませ。

さて……催眠状態への誘導や操作の手法は、その全てが下記の3種の要素のうちの何れかひとつ、もしくは複数を主として構成されているものだと言えます。

a.方向性
b.イメージ
c.パルス(アクセントと非アクセント)

以上の三つです。

――『方向性』とは。
前後左右、上下などへの移動を喚起するもののみならず、何かに意識を集中させるものや、思考を特定の向きに促すものもこの要素に含まれます。「落ちる」とか「浮き上がる」という直接的な方向性の表現から、カウントダウンなどの数唱技法による(数の減少or増加という)間接的な方向性の表現まで様々です。意識を集中させるもので有名なのは、渦巻きなどの、ヒプノディスクと呼ばれる類のものでしょう。また、導入においてエレベーターや電車などに乗っていることをイメージさせるのはよくある表現ですね。

――『イメージ』とは。
シュルツの自律訓練法などに代表されるもの。基本的に「○○をイメージしてみましょう」というものは、全てこの要素を含んでいると言えます。ただ、当然と言えば当然な話ですが、なるべく誰でも経験のある感覚や物をイメージするように促すのが好ましいでしょう。両手の温かさを喚起させるなら、あえて限定的な言い方で注意を引くというような意図がない限り、コーヒーカップを手にしたり太陽に手をかざしているといったような平易なイメージを喚起するようにし、温かさからリラックスへと繋げたい場合などは、夏場の蒸し暑さよりもお風呂や布団の中のイメージのほうが良いでしょう。当たり前じゃないかと思われるかも知れませんが、意外とこの『誰でも経験しているであろう』という点を突き詰めるのは難しいことなのです。例えば……睡眠や食事、排泄などは誰でも経験しているものと断定できますが、温かさから幸福感などを促したいときや、ボーっとした感覚を促したいときなどに「お酒に酔ったような」と言う場合、それが伝わるかどうかは確実ではありません。お酒に酔った経験のない場合もあれば、酔うということに肯定的なイメージを持っていない場合もあるからです。と言って、あまりに平易な表現を繰り返されると覚めてしまうという場合もあるようで……このあたりは、音声作品という形態ゆえの悩みとも言えますね。

――『パルス』とは。
これは物理学でいう矩形波のことではなく、音楽でいうところのパルスで、律動やリズムと言い換えても構いません。リズムではなくパルスとしたのは、この要素が『リズムを維持すること』のみならず、『意図的にリズムを崩すこと』を含むものだからです。括弧内で『アクセントと非アクセント』としているのはそのためです。先ほど『物理学でいうところの矩形波ではない』と言いましたが、オベパルスやヘミシンクなども催眠技法として考えるなら、この『パルス』に含まれるでしょう。指をパチンと鳴らしたり、口調を急に速めたりする手法も、これに含まれます。ヘミシンクはパルス(等間隔のリズム)、指を鳴らしたり口調を速めたりするのは、パルス(アクセントと非アクセント)ですね。ただ最初にも言ったように、速めたり大きな音を出したりするのに限定されるわけではなく、それまでの流れから外れた(外した)音を用いるもの全てを『パルス』に分類しています。例えば「ゆっくり深呼吸してみましょう」というような指示を口にする際に、この「ゆっくり」の部分をスローに読み上げるのはよくある技法だと思いますが、その場合は『スローペースな口調』がアクセント、『それまでと、それ以後の通常の口調』が非アクセントになり、パルスに分類されます。

最初に申し上げたように、これら3点は素数のようなもので、これひとつで構成される技法もあれば、複数で構成される技法もあります。例えば、催眠のステロタイプな形として漫画などによく登場する『ヒモ付きの五円玉』を分類するとすれば……まずは、揺れを注視するものであるためa.『方向性』の要素を含み、また、一定のパターンで動くのであればc.『パルス』の要素も含みます。さらに、五円玉を実際に用いるのではなくイメージさせるのであればb.『イメージ』の要素も含むでしょう。そのため、『ヒモ付き五円玉技法』はabc.全てに分類することができます。……しかし、要素が多いほど複雑化する傾向にありますので、五円玉技法は比較的に使い勝手がよくない部類のものと言えるでしょう。また、インチキなイメージが付きまとうため使い難いとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんね。それは確かにその通りなのですが……五円玉でなくクリスタルのペンダントだとか時計の振り子といったように、揺れる小物を変えているだけで技法として同種のものを使用している作品は数多く存在します。それによって効果が変わるのかは定かではありませんが、たとえ同じ手法であっても、そうしたガジェットのチョイスが作品の個性を定めるのは確かなようです。ちなみに、エレベーターをイメージさせる導入法もよくあるもののひとつですが、これは『イメージ』と『方向性』の2点に該当しますので、ab.であると言えます。このように、気になった技法などがあればよく観察し、要素ごとに取り出して見てみると意外な発見があるかもしれませんね。

蛇足かも知れませんが、これら催眠技法のすべては『意識を正負、いずれかに偏らせること』を目的としていると言えます。“正”とは意識を一点に集中させること。“負”とは意識を均等に分散させることを指します。

分類に関しての説明は以上です。
最後に、こうして分類された技法を用いる際に使われるテクニックに関してです。つまり、言い回しや表現方法に関してですね。使いやすく有名なものとしては『許容的表現』などがありますが、そうした作品全体の方向性を決めるようなものではなく、今回は、より限定的なテクニックとして広く用いられているものの中から、『散在』と『前提』の2つをご紹介いたします。(ちなみに、この『散在』や『前提』という言葉は、わたしが勝手に作った先の分類とは違い、エリクソンに学んだ弟子の一人であるW.H.オハンロン氏とM.マーチン氏の書籍の翻訳からの引用でございます)

――『散在』とは。
ある指示を分散して言葉に紛れ込ませ、間接的に伝えるという手法。仕組みとしては、ある種のサブリミナルのような効果を狙ったものだと考えれば分かり易いと思います。文章にすると次のような形になります。

トランスに入るとはどのような感覚なのか、わたしにはよくわかりません。しかし、トランスに入るという言い方って、よく考えれば不思議なものですよね。催眠にかかるとは言いますが、トランスを感じることをトランスにかかるとは言いません。催眠に入るという言い方は、眠りはじめるというより、術者が催眠を開始するという意味のほうが大きく、催眠にかかるという意味には取り難いように思われます。語義的にも文法上も、トランスとは睡眠に近いものなのかもしれませんが、眠りに入るという言い方は、“すべからく眠る”というような誤用表現ほどではありませんが、個人的にはちょっとした違和感を覚えてしまいます。また、眠りに落ちるとは言いますが……トランスに落ちるという言い方は……うーん、わたしはこれも眠りに入るという言い方と同じく、なんだか可笑しく感じられますね。リラックスに入るというのも……うん、ちょっと可笑しい感じがします。そう考えていくと、トランスとは少し特別なものなのではないかと思えてくるのです。よく『トランスに入れば、すぐにトランスに入っていると分かる』などと言いますが、ひょっとするとそれはその通りで、それほどトランスというものは特別な感覚ということなのかも知れませんね――」

と、このような感じですね。音声作品の場合、これを普通のペースで話し続けるのがベターな形だと思いますが、太字にした部分を少し強めに読んだり、テンポをわずかにスローにしたりすることで意図的に目立たせるという場合もあります。というのは、実際の対面で行われる催眠においては、相手が『指示されること』に抵抗感をもっているかどうかを図ることができますので、指示されることを嫌っていない場合は、散在している言葉を目立たせることで、その発見がスムーズになるような方向に導くこともあるのです。この例文の場合は、黒字の部分から施術者の意図するところが分かるかと思われます。関連性はハッキリしませんが、精神分析の手法にも似たようなものがありますね。

――『前提』とは。
これにはいくつかのバリエーションが存在しますが、その中でも最も簡単なものは“選択の幻想”と呼ばれる手法でしょう。次のような言い回しをします。

「わたしは占い師のように何もかも見通せる力を持っているわけではありません。だから、あなたに何かを強制したりはしないんです。あなたにとってベストな方法やタイミングは、あなた自身が一番よく分かっていることなのだとわたしは思います。ですから……例えば、あなたは自分の意思で自由にトランスに入っていくのかもしれないし、わたしの声に従うことで入っていくのかもしれません。そのトランスはごくごく浅いものかも知れないし、中くらいのものか、あるいは、とても深いものなのかもしれませんね。仰向けに寝そべった状態で入っていくのか、横になった状態で入っていくのか、あるいは、リラックスした状態で入るのか、緊張した状態で入るのか、それはあなたが決めていいことなんです。今すぐにはトランスに入らないと決めたって構いません。本当にあなたの思うとおりに定めて構わないのです」

と、こんな感じです。
これは一見すると聞き手に選択権を与えているように見えます。いえ、実際にある部分では選択して下さいと言っているわけですが、ここで言っている全ての言葉は、すでに『トランスに入ること』を前提にした文言であることがお分かりになるかと思います。いつトランスに入るのか、どのくらい入るのかを決めていいですよと言うことで、『トランスに入らない』という選択を意図的に排除しているのですね。無論、この文言だけでトランスに誘導できるというものではありませんが、実際の催眠や、催眠音声などの多くは随所にこうした仕掛けを置くことによって誘導していくように作られています。


というわけで、TAKKの作品は、こうした手法を用いて作られておりますよというご紹介でした。
また、余談ではありますが、こうした誘導の手法を今よりも細かく分類することは、催眠音声の次の段階へと進むきっかけになるかもしれません。……と言いますのも、筋電図を用いた意識状態の観察(表情筋を指標としたもの)により、『どの誘導法で形成されるかによって変性意識の形(質)は違ったものになる』という可能性が示唆されているからです。『トランスというものは存在する(状態派)が、その形はひとつではない』という考え方ですね。こんな言葉はありませんが、催眠というものの捉え方として分類するなら“多義性状態派”といった感じでしょうか。『喜びや悲しみや怒りなどを示す言葉には様々なバリエーションがあるように、トランス状態と一口に言っても、本当はいろいろあるのかもね』ということ……つまり、今はまだそれを示す言葉がないため、十把一絡げに“トランス”や“催眠状態”などと呼んでいるだけで、あなたが経験したトランスは、別の誰かが経験したトランスとは形の異なるものなのかもしれないということなのです。思春期にクオリア関連で悩んだことのあるような方々(わたしもその一人ですが)であれば、興味深いものだと共感して頂けるのではないでしょうか。……もっと詳しく知りたいという方は、 CiNii Articlesなどの学術総合データベースにて“変性意識 筋電図”などのワードで本文検索をしてみて下さい。日本語で記述されているものも多いので、何となく眺めるだけでも楽しめるのではないかと思います。

さて……しかしながらこうして書き記してみると、この『トランスの形は複数存在する』という考え方は、何とも不思議な感じが致します。もしかすると、将来、催眠状態やトランスの存在がより明確に証明され、人の示す反応にも何らかの法則性が見出せるようになったとすると、その頃の催眠音声作品のラベルには『どのタイプのトランスをもたらすものなのか』が一目で分かる“トランスの成分表”のようなものが表記されているかもしれませんね。巻きタバコのように、自分の好みにトランスをブレンドできるようになったり……ああ、そんな確かなものにいつの日かなればいいなと思う、今日この頃でございます。

さて、長くなりましたので、今回はこのへんで。
それでは、また次回!
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